みなさん、こんにちは! あずるです。
突然ですが、ついにアナログの極みのような船上にも、ついにデジタルの波が押し寄せてきました。 先日、「これは機関士として無視できないぞ……!?」というレポートを見つけました。 それが、「2026年の舶用機関市場予測」です。
「どうせ新しい規制が増えるだけでしょ?」
「俺たちの仕事は変わらないよ」
……なんて思っていると、数年後に浦島太郎になってしまうかもしれませんΣ(・□・;)
今回は、小難しい市場レポートを噛み砕いて、「結局、2026年の船のエンジンはどうなるの?」「俺たちの仕事はどう変わるの?」という点に絞って解説していきます。
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主役は変わらず「低速2ストローク機関」
まず結論から言うと、エンジンの「王様」は変わりません。
複数の市場調査レポート(MarketsandMarkets, Mordor Intelligence等)によると、2026年時点でも「大型船(コンテナ・タンカー等)の推進機関は、低速2ストロークディーゼル機関がシェア60%以上を維持する」と予測されています。
やっぱり、あの巨大なピストンがドカドカ動く信頼性は、まだまだ他の技術では代えがたいようですね。 MAN Energy SolutionsやWinGDといったお馴染みのメーカーが、引き続き市場を支配します。
「なーんだ、結局変わらないんじゃん」
……と思いました? 甘いです! エンジンの「外見」は同じでも、「中身」と「燃料」が別物になろうとしています。
これからの新造船は、重油だけでなくLNGやメタノール、アンモニアなどを燃やす「デュアルフューエル(DF)エンジン」が当たり前になります。 機関士としては、燃料の管理がどんどん複雑になっていく未来が確定しているわけです……。(´・ω・`)
キーワードは「デジタルツイン」の標準装備
さて、ここからが本題です。 レポートの中で何度も出てくるキーワードがありました。
それが「デジタルツイン(Digital Twin)」です。
直訳すると「デジタルの双子」。 これ、どういうことかと言うと……
- 現実のエンジン: 今、海の上で回っている本物のエンジン。
- デジタルのエンジン: センサーから送られてくる膨大なデータを元に、PCの中に再現された「全く同じ動きをする双子のエンジン」。
これまでのコンソール(AMS)は、「排気温度が450℃を超えたらアラーム!」という単純な仕組みでしたよね。 でも、デジタルツインは違います。

「今の負荷と海水温度なら、本来は排気温度350℃が正解。でも、実機は360℃だね。アラーム設定値には届いてないけど、これって吸気フィルターが汚れ始めてる兆候だよ」
……という感じで、「未来の故障」を予知してくれるんです。 2026年の大型船では、これがオプションではなく「標準装備」になると予測されています。
船と陸をつなぐ「通信とサーバー」の話
「でもさ、そんな高度な計算、船のパソコンでできるの?」
「衛星通信めっちゃ遅いじゃん」
鋭いですね! そこで登場するのが、以下の2つの技術です。
- Starlink(スターリンク)などの高速衛星通信
- 船内エッジサーバー(Edge Computing)
従来の船内LANとはレベルが違います。 エンジンには、振動や圧力を1秒間に何百回も計測するセンサーが大量に取り付けられます。
その膨大なデータを全て陸に送ると通信費がパンクするので、「船内の高性能サーバー(エッジ)」で一旦処理をして、重要な結果だけを「Starlink」で陸のメーカーや管理会社に飛ばす……というハイブリッド方式が主流になります。
つまり、これからの船の機関室には、「小さなデータセンター」が同居することになるんです。

機関長がサーバーのランプを見て「ヨシ!」って指差呼称する時代が来るかも……?(笑)
我々「機関士」の仕事はどう変わる?
最後に、一番大事な「働き方」の話です。 デジタルツインが普及すると、整備のやり方がガラッと変わります。
- これまで(TBM): 「3,000時間回ったから、壊れてなくても開放点検しよう!」
- これから(CBM): 「デジタルツインが『まだ大丈夫』って言ってるから、今回のドックでは開放なし!」
これをCBM(Condition Based Maintenance:状態基準保全)と言います。
一見、無駄な整備が減ってラッキー!に見えますが、逆に言えば「モニター上のデータを正しく読み解く能力」が求められるようになります。 スパナを持って油まみれになる時間よりも、PCの前でグラフと睨めっこする時間が増えるかもしれません。
まぁ、今もスパナ握る時間よりモニター前で唸ってる時間が多いような気がしますが…表現だと思って流してください。
「機械さえ直せればいい」という職人気質の機関士にとっては、ちょっと生きにくい時代になるかも……?
まとめ:スパナの次はデータを持つ?
2026年の市場予測をざっくりまとめると、こんな感じです。
……うーん、こうやって書いている私自身、ちょっと焦ってきました(汗)。 会社から支給されるシステムを使うだけじゃなくて、自分でも何か備えをしておいた方が良さそうです。
実は私、この流れを見越して(嘘。本とは趣味で)、ExcelやVBAをいじり倒しているんですが……。 これ、もしかして「次世代の機関士の必須スキル」になるんじゃないか? と密かに思っています。
次回の記事では、そんな「機関士 × Excel/VBA」の可能性について、私の妄想(?)全開で語ってみたいと思います!
▼「え、Excelで何ができるの?」と思った方はこちら! [スパナの次はデータを持つ?デジタル化に向け、機関士がExcel・VBAを学ぶ意義]

それでは、また次の航海(記事)でお会いしましょう! ご安航を!
【記事内で使用した主な情報ソース】
- 市場予測データ(2ストローク機関のシェア等)
- MarketsandMarkets (Marine Market Research): https://www.marketsandmarkets.com/marine-214.html
- Mordor Intelligence (Marine Propulsion Engine Market): https://www.mordorintelligence.com/industry-reports/marine-propulsion-engine-market
- デジタルツイン・ガイドライン(標準化の根拠)
- 日本海事協会 (ClassNK) – Innovation Endorsement / Digital Smart Ship: https://www.classnk.or.jp/hp/ja/activities/techservices/dgd2030/iea/index.html
- ClassNK デジタルスマートシップガイドライン (PDF): https://www.classnk.or.jp/hp/pdf/Rules_Guidance_public/techdoc/gl_digitalsmartships_e202211.pdf
- 海事産業のDX推進(公的機関)
- 国土交通省 海事局 – 造船業・舶用工業における技術開発の促進(DX): https://www.mlit.go.jp/maritime/maritime_tk5_000067.html



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