「船乗りは投資に向いている」
唐突にそう言われると、意外に思うかもしれません。しかし、90日間乗船し、一度海に出れば電波が不安定な環境に身を置く私たち船員こそ、実は投資の世界で最強の「勝ち筋」を持っています。
今回は、私が実践している「海の上でも資産が増え続ける」ための思考法と、エンジニアとしての視点を活かした投資戦略についてお話しします。
結論:投資の「航路」さえ合っていれば、今の株価は関係ない
投資において最も大切なのは、今の株価がいくらかではなく、「その企業がどこに向かっているのか」という航路の正しさだと思っています。
長期投資を主軸に置く私にとって、今の株価を確認することは「今日は天気がいいな」と感じる程度の意味しかありません。むしろ、外出の予定を左右する天気予報の方が、今の株価よりもよほど重要です。
本質的に見るべきなのは、以下の2点だけです。
船の運航に例えるなら、コースライン(進路)さえ間違っていなければ、途中で船速が多少速くなろうが遅くなろうが、必ず目的地にはたどり着きます。株価という「船速」の上下に一喜一憂して疲弊する必要はありません。
船乗りが持つ「強制的な成功」の環境
投資の世界には、ある有名な伝説があります。大手証券会社が運用成績を調査したところ、最も成績が良かったグループの1位は「亡くなった人」、2位は「投資したことを忘れていた人」だったという話です。
これは、「余計な売買をせず、ただ保有し続けること」が、いかにリターンに貢献するかを物語っています。
私たち船員は、乗船期間中の90日間、物理的に電波が届きにくい環境に置かれます。最近ではスターリンクの導入や、内航船であれば接岸時に電波を拾える機会も増えていますが、それでも陸上の投資家のように四六時中チャートに張り付くことは不可能です。
しかし、これはデメリットではありません。この「売買したくても容易にはできない」という不自由さこそが、実は投資における最強の強制力となります。
さらに、乗船中は高収入が得られる一方で、食費も住居費も会社が賄ってくれるため、支出はほぼゼロになります。この「強制ブースト期間」に積み上がる資金は、下船後の強力な「投資の加速装置」となります。
「船に乗っていれば、死ぬことはない(食住が保証されている)」という絶対的な安心感があるからこそ、暴落時にも「安く買えるラッキーだ」と構えていられるのです。
記録は「機関日誌」と同じ。数字で現実を把握する
私は、毎月末に自分の全財産を1円単位で記録しています。これは、船のエンジンの状態を記録する「機関日誌」と同じ作業です。
数字を記入した瞬間に魔法のように資産が増えるわけではありません。しかし、記録を続けることで以下のメリットが生まれます。
- 自己認識とのズレを修正できる: 「意外とこの時期はお金を使っているな」といった傾向が見えてくる。
- 嵐(暴落)への耐性がつく: 過去の記録を見返せば「暴落しても、時間が経てば戻っている」ことが自分のデータとして理解できる。
- モチベーションの維持: 1年前と比べて増えている資産や、着実に積み上がる配当金の記録は、確かな充足感を与えてくれます。
また、私は個別の銘柄ごとに「株式ノート」を作成し、「なぜその株を買ったのか」という理由を明確に記録しています。
「金の成る木(恩株)」を育てるエンジニアの計算
私は、受け取った配当金を投資コストから差し引いて計算する「配当考慮平均コスト」という指標を重視しています。
配当考慮平均コスト = (購入金額 + 手数料 - 売却済金額 - 配当累計) ÷ 保有株数
この数値がマイナスになったとき、その株は「すでに元本を回収し終えた、タダで手に入れた資産」になります。これが私の目指す「恩株」です。一度資金を回収してしまえば、あとは文字通り「金の成る木」として、何の不安もなく放置することができます。
まとめ:人生という航海を盤石にするために
私が投資を行うのは、単にFIRE(早期リタイア)を夢見ているからではありません。
- E(仕事): 機関士としての自己肯定感
- B(ブログ): 自分の発信力とシステム収入
- I(投資): 働かずとも入ってくる不労所得
この「3本の柱」を確立し、どのエンジンが停止しても航海を続けられる「完全なる経済的安定」を目指しているからです。
船乗りという職業の強みを活かし、エンジニアとしての論理的な目で銘柄を選び、あとは「記録」を楽しみながら航路を進む。
もし、あなたが今の仕事に誇りを持ちつつ、将来への不安を拭い去りたいと考えているなら、まずは自分の「機関日誌」をつけることから始めてみませんか?
航路さえ間違っていなければ、私たちは必ず、豊かさという目的地にたどり着けます。
以上、あずるでした。
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