こんにちは。あずるです。
今回は、Excelにおける「自動化の脳」とも呼べる「IF関数」について解説します。
結論から申し上げますと、「IF関数を制する者は、Excelの自動化を制する」と言っても過言ではありません。なぜなら、この関数は単なる計算式ではなく、プログラミング的思考の根幹である「条件分岐」を担っているからです。
ここ枚方の拠点から、皆さんの実務を「手作業」から「自動判定」へとシフトさせるためのロジックを、丁寧に紐解いていきます。
1. IF関数の正体:「もし〇〇なら、こう動く」
IF関数の役割を一言で表すと、「条件に応じた自動判定」です。
私たち船乗りの世界で例えるならば、「自動危急停止」の判断プロセスそのものです。
- 条件: LO圧力が規定値以上ある。
- YES(真)の場合: そのまま。
- NO(偽)の場合: 停止。警報発令。
この「判断」を人間がいちいち行うのではなく、あらかじめルールを決めておき、Excelに任せてしまうのがIF関数の目的です。
ビジネス現場での活用例
このロジックは、そのままビジネスの現場に置き換えられます。
- 合否判定:
- テストの点数が80点以上なら「合格」、そうでなければ「不合格」と表示する。
- 在庫管理:
- 在庫数が1台分以下なら「発注」、2以上なら「在庫あり」と表示する。
- 予算管理:
- 実績が予算を超えていれば「予算超過」、収まっていれば「OK」とする。
これを目視で確認して手入力するのは、時間の無駄であり、ヒューマンエラーの温床です。
2. 構文の構造:3つの要素を理解する
それでは、実際のエンジニアリング(式の構築)に入ります。 IF関数の構文は以下の通りです。
=IF(論理式, 値が真の場合, 値が偽の場合)
この3つの引数(ひきすう)について、詳しく解説します。
① 論理式(判定の基準)
「何を判断基準にするか」を記述します。ここでは比較演算子を使用します。
A1 >= 80(A1セルが80以上か?)B2 = "完了"(B2セルが「完了」という文字か?)C3 < 0(C3セルが0未満=マイナスか?)
② 値が真の場合(TRUE)
論理式の条件に一致した時に、セルに表示させたい内容(または計算式)を指定します。
- 例:「合格」と表示する。
③ 値が偽の場合(FALSE)
論理式の条件に一致しなかった時に、セルに表示させたい内容(または計算式)を指定します。
- 例:「不合格」と表示する。
【重要】文字列を扱う際のルール
数式の中で「文字」を表示させたい場合は、必ず半角ダブルクォーテーション( "" )で囲む必要があります。これを忘れるとエラーになります。
記述例:
=IF(A1>=80, "合格", "不合格")
3. なぜIF関数が「最重要」なのか?
私がIF関数の習得を強く推奨する理由は、単に便利だからではありません。これが全ての応用技術の土台だからです。
プログラミング思考の最小単位
IF関数は「条件分岐」という、あらゆるプログラムに共通する論理構造です。 ここを理解しておくと、将来的にVBA(マクロ)を学ぶ際、必須構文である If...Then...Else が驚くほどスムーズに理解できます。
応用関数への派生
Excelには便利な「条件付き関数」が多数存在しますが、これらは全てIF関数の親戚(派生形)です。
- SUMIF関数: もし条件に合えば(IF)、合計する(SUM)。
- COUNTIF関数: もし条件に合えば(IF)、数を数える(COUNT)。
「IF関数のロジック」という幹がしっかりしていれば、これらの枝葉の関数も「引数に何を入れればいいか」が直感的に分かるようになります。逆に言えば、IF関数を疎かにすると、応用操作で必ず躓くことになります。
4. さらなる高度な判定へ(予告)
実務では、「条件が一つだけ」というシンプルなケースばかりではありません。
- 「点数が80点以上、かつ(AND)、出席率が90%以上なら合格」
- 「商品A、または(OR)、商品Bが売れたらボーナス支給」
このように複数の条件を組み合わせる場合は、IF関数の中にAND関数やOR関数を組み込む「ネスト(入れ子)」という技術が必要になります。
これについては、情報量が多いため次回の記事で徹底解説します。「AかつB」「AまたはB」という論理演算の世界へ、ステップアップしていきましょう。
まとめ
- IF関数は「自動化の脳」: 条件に応じてExcelに判断させる。
- 基本構文:
=IF(論理式, 真の場合, 偽の場合) - 文字列の注意: 文字を表示するなら
""で囲むことを忘れずに。 - 拡張性: SUMIFやVBAへの入り口となる最重要関数である。
IF関数を使いこなすことは、あなたの業務時間を劇的に圧縮する「投資」です。 まずは身近な表計算で、「ここ、自動判定できるんじゃないか?」と疑うことから始めてみてください。
以上、あずるの機関日誌・技術担当がお届けしました。次回は「複数条件」の海へ漕ぎ出しましょう。


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